一定のサイクルで服用することにより、妊娠を防ぐ経口避妊薬をピルと呼んでいます。
ピルの避妊効果は、2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)が脳の視床下部という所に作用して、卵胞の発育や排卵を促すホルモン(性腺刺激ホルモン)の分泌を抑制し排卵を止めることにより発揮されます。
ピルは、卵胞ホルモンの量の違いによって、高・中・低用量ピルに分けられます。
現在、日本では月経周期異常、月経困難症、月経過多などの治療の目的で、中用量、高用量の女性ホルモン剤があり、保険適応外でピルとして避妊にも使用されるケースがありました。
しかし、避妊を目的とした場合では、中・高用量では副作用の発現が比較的多く、低用量で十分であることから、低用量ピルがほとんどの先進諸国で認可され使用されています。
日本では、平成11年6月16日、承認されました。
低用量ピルは中・高用量に比べ、少ないとはいえ、副作用がまったくないわけではありません。
国外の報告ですが、まれに血栓症などの重篤な副作用の発現例もあります。
また、喫煙者や高齢者では循環器疾患発症の危険率が高まるともいわれています。
ピルは現在のところ妊娠を望まない女性にとって、最も確実な避妊方法と言われています。
しかしながら、ホルモン剤であること、長期間服用する薬剤であることから、服用する場合、血液検査をはじめとして、婦人科検診などの定期的な検診を受けるべきです。