平成24年度診療報酬改定において、入院基本料として病棟薬剤業務実施加算が新設された。しかし本加算の算定要件は、薬剤管理指導業務以外に全病棟において1 週間に20 時間以上の病棟薬剤業務を行う必要がある、となっている。そのため、加算取得にはマンパワーの確保や業務改善等が必須となってくる。今回、大阪府病院薬剤師会では今後の病棟薬剤業務推進のため、すでに病棟薬剤業務を実施している施設の現状調査を行ったので集計結果について報告する。
本アンケート調査は、平成24年10月時点で病棟薬剤業務実施加算を算定している大阪府下の81施設を対象に平成24年12月から平成25年2月にかけて実施したもので、47施設から回答を得た(回答率58%)。
集計は、病床数別に「~100床」、「101~200床」、「201~300床」、「301~400床」、「401~500床」、「501~」の6グループに分けて表示した。病棟数、薬剤師数、病棟薬剤業務開始時期、院外処方せん発行率などの施設の基本情報については、同規模病院との比較が容易なように全データをそのまま表示した。その他の項目については、数字部分は回答施設数の平均値とし、文字部分は極力回答内容をそのまま掲載するようにした。しかし、一部の項目においては、見やすさ向上のため同内容と思われる回答をまとめて件数表示としたため、回答内容が十分に反映できていない場合もあるがご了承願います。
今回の調査で病棟薬剤業務の所要時間の平均は、25時間(1病棟/週)であった。業務別の平均所要時間を表1に示したが、最も多く時間を要しているのは「①医薬品の投薬・注射状況の把握」で約9.6時間、続いて「③入院時の持参薬確認及び服薬計画の提案」で約6.3時間あり、両業務だけで全業務の6割程度の時間を要していることがわかった。また表2に示した、表1以外に病棟薬剤業務として実施・計上している業務では、「定数配置薬の管理、補充」が最も多く37施設(実施率76.6%)、次いで「カンファレンスへの参加」26施設(実施率55.3%)の順で実施されていた。
本アンケートの回答を記載していただいた方々にお礼を申し上げるとともに、本報告が今後の病棟薬剤業務の推進に役立つことを願うものである。
出版企画委員会