くすりが出来る迄には多くの「くすりのたまご(候補)」について、有効性(効き目・効果)と安全性が調べられ、人々の命や健康に役立つ事が証明されたものだけが国(厚生労働省)から「くすり(医薬品)」として認められ、世に出るようになります。「くすりのたまご(候補)」が見出されてから、実際に病院で患者さんに使われるようになるまでには、様々な試験(テスト)に合格しなければなりません。
まず初めは基礎研究の段階があります。実験で作ったり、天然に存在している何百何千という物質の中から、試験管を用いた実験などで、いくつかの「くすりのたまご(候補)」を選び出します。
次のステップは非臨床(動物)試験です。ネズミやウサギ、イヌなどの動物を使って、有効性(効き目・効果)や安全性(毒性の種類や程度はどうか等)について詳しく調べ、もっとも「くすり」として期待されるものを最終候補として選びます。
しかし、それだけではすぐに「くすり」として使用できません。「くすり」は健康を害した患者さんの治療に使うものですから、最終的には人の病気を治すのに役立つかどうかを患者さんで調べなくてはなりません。
この試験のことを臨床試験=治験といいます。この試験で有効性と安全性の両方が認められた後、国(厚生労働省)に申請し審査を受けます。審査に合格したものだけが、くすり(医薬品)として製造・販売されるのです。
販売された後も6年間の調査期間が設けられていて、その間、副作用や有効性などについての情報を国(厚生労働省)に報告しなければなりません。